2018/11/20
最近、美術品オークションに関する世界的なニュースが多く報道されています。
まずは10月5日のイギリス・ロンドンでのオークションにて、覆面ストリートアーティスト・バンクシーの代表作の1つ≪Girl with Balloon (少女と風船)≫が、104万2000ポンド(約1億5500万円)で落札された直後、額縁に隠されたシュレッダーで作品が細断されました。社会風刺的な作品を手がけ、センセーショナルなパフォーマンスで有名なバンクシーですが、オークションにおいても落札作品が自壊するという前代未聞の事件を起こし、まさに「バンクシー」な出来事でした。
ちなみに、バンクシーは作品が細断される様子をインスタグラムに投稿し、ピカソの言葉である「The urge to destroy is also a creative urge(破壊衝動は創造衝動でもある)」とコメントをつけ、細断された作品は新たに≪Love is in the Bin(愛はごみ箱の中に)≫とタイトルがついたそうです。
10月25日、アメリカ・ニューヨークのオークションでは、人工知能(AI)によって制作された1枚の肖像画≪エドモン・ド・ベラミー(Edmond de Belamy)≫が43万2500ドル(約4900万円)で落札されました。遠目からは18・19世紀絵画のように見えるものの、そばによれば描きかけのように全体がぼやけており、「肖像画法の規則性を理解した」AIにより人の手を借りずに制作されたとのことです。
11月15日には、イギリスの現代作家デービッド・ホックニーの代表作≪芸術家の肖像画―プールと2人の人物―(Portrait of an Artist (Pool with Two Figures))≫が9031万2500ドル(約102億円)で落札され、オークションハウスの発表では存命の芸術家の作品としては史上最高額を記録しました。
また同じく15日には、実業家バーニー・エブスワース氏の20世紀絵画コレクションが競売にかけられ、エドワード・ホッパーやデ・クーニング作品などが総額3億2300万ドル(約370億円)で落札されたと発表されました。
これまでのオークションといえば、ピカソやオールドマスターの作品が話題を集めていましたが、最近ではコンテンポラリーアートも注目を浴び、マーケットで高く評価される様子がみてとれます。オークション関連だけでなくその他のニュースでも、草間彌生など現代アーティストが話題となり、これからますます関心が高まることが予想されます。
コンテンポラリーアートは巨匠の作品と異なり、比較的誰でも手に入りやすく、まだ評価も定まっていなくても後々に人気が高まることもある、面白いジャンルです。アイアートではコンテンポラリーアートも取り扱っておりますので、ご興味がありましたらぜひお問い合わせください。
〈次回オークションのお報せ〉
第55回オークション
■開催日:2018年12月15日(土)12:00~
■下見会:
12月12日(水)10:00 – 18:00
12月13日(木)10:00 – 18:00
12月14日(金)10:00 – 15:00
■会場:東京都港区新橋5-14-10 新橋スクエアビル3F