2020/06/26NEW
7月4日(土)に、新橋オフィスにて【某氏旧蔵コレクション】が開催されます!
出品作品には、岸田劉生や黒田清輝などの貴重な作品も含まれ、近代の日本絵画を語るのに欠かせない画家たちの作品が揃っています。
今週と来週のコラムでは、洋画・日本画それぞれの近代の歩みを語りながら、一部出品作家をご紹介してゆきます。
日本は幕末から明治にかけて、西洋文化を取り入れる中で、西洋の油彩画も導入されます。
伝統的な日本絵画とは異なる表現をもつ油彩画は「洋画」と呼ばれ、日本の洋画家たちは来日した外国人教師に学び、またヨーロッパ留学をすることで日本に洋画を根付かせます。
そして明治後期、フランス留学から帰国した黒田清輝は、「外光派」という新しい表現を日本に紹介し、黒田に師事した藤島武二や岡田三郎助、和田英作らとともに、洋画の新潮流として活躍しました。また黒田は、美術学校教授となるなど、日本におけるアカデミズムを築いたことで、「日本近代洋画の父」とも呼ばれています。
大正期に入ると、画家たちは雑誌『白樺』を通して西洋美術の動向を知り、加えて「個性」を尊重する風潮に後押しされ、アカデミックから離れた多様な表現が生まれます。例えば、岸田劉生は「内なる美」を求めて、細密描写など当時の流行と逆らう道を進み、美術史の中でも強烈な個性を放つ存在です。
昭和の頃から、西欧絵画の模倣ではなく、日本の感性・伝統にあった独自の美術を生みだそうとする動きが現れます。理知的で堅実な作風をもつ安井曾太郎と、感覚的で華麗な作風をもつ梅原龍三郎の2人が画壇をリードし、「安井・梅原時代」と呼ばれる日本的な油絵の成熟期を築きました。
また、日本を離れて活躍する画家も多く現れ、藤田嗣治や佐伯祐三、荻須高徳などは独自の画境を拓き、西洋画壇で高い評価を受けました。
この他にも、森本草介や小磯良平、香月泰男など、名だたる画家の作品がオークションに出品されます。ぜひ、美術館のような充実したコレクションをお楽しみください。
オークションでは洋画以外に、横山大観や菱田春草などの日本画、西洋画ではカトランとビュッフェ、工芸ではアール・ヌーボーのガラス作品や日中韓の陶磁器などが揃っています。
アイアートでは下見会の予約制など、感染予防対策を実施しております。ご予約やお問合せ等ございましたら、お電話やメールでご連絡ください。
皆様のご参加をお待ちしております。
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〈某氏旧蔵コレクション〉
■開催日:2020年7月4日(土)13:00-
■下見会:
7月1日(水)10:00-18:00
7月2日(木)10:00-18:00
7月3日(金)10:00-15:00
■会場:アイアート株式会社 (東京都港区新橋5-14-10 新橋スクエアビル 3F)