LOT.183
一休 宗純
司馬温公独楽園記
[掲載文献]:『墨蹟一休宗純 下』No.293掲載
(中川一政編 中央公論社:1986年)掲載
『旧大名某家所蔵品入札目録』掲載
(東京美術倶楽部:1940年)
【作品について】
司馬光(1019-1086)は中国北宋時代の仁宗、英宗、神宗、哲宗の四代の皇帝の治世に活躍した官僚政治家、艦学者、歴史家。没後、温国公の爵位を贈られたため「司馬温公」と呼ばれる。
1038 年に進士となり、五代皇帝英宗、六代神宗からも絶大な信頼を得ていたが、1067 年、神宗が即位し王安石を用いて新法を断行したのに強く反対し、朝廷から退き副都洛陽に隠居。しかし1085 年、神宗が崩御して哲宗が十歳で即位すると、宰相として中央に復帰した。新法を全面的に廃止し全て新法実施以前の法に戻すべく政権を運営したが、在任八ヶ月にして病死した。
洛陽で隠居生活を送っていた間に編纂した歴史書『資治通鑑』で有名な司馬光だが、この「独楽園紀」も洛陽時代に作られた散文である。自らの住居にしつらえた庭園を「独楽園」と名づけ、名利から遠ざかって学問にふけり、ひとり庭園を自由に歩き回る生活の楽しみがのべられている。