LOT.219
与謝 蕪村
拾得図
[展覧会歴]:『春の江戸絵画まつり 江戸絵画お絵かき教室』出品 / 同展覧会図録P257, No.171として掲載 (府中市美術館:2023年)
〈作品について〉
寒山と拾得というテーマでは、二人の性格を表すために、そもそも「変」であることがポイントだが、この作品では描き方のぶっきらぼうさが加わっている。プロポーションも変だし、藁筆か何かを使って描いた地面や岩は荒々しくて、「本当にこれでいいのか?」と悩んでしまう。蕪村は画家としての初期の頃、丹後にいた時代に、意図的にぎこちない描き方をして、そこに新鮮みを出そうとしていた。この作品も、丹後の時代か、または京都へ戻って間もない頃のものだろう。賛は、大徳寺の堯州宗寛 ( ぎょうじゅうそうかん)。
(『江戸絵画お絵かき教室展』展覧会図録より)
2015 年に開催された『生誕二百年 同い年の天才絵師 若冲と蕪村』に出品された「寒山図」も丹後時代の作品であると考えられており、また、作品のサイズも同じことから対となる作品であることが想像される。